リレーションシップバンキングとは…
 「リレバン(=リレーションシップバンキング)」の時代に突入している、と言われています。「リレーションシップバンキング」とは直訳すれば、「友好関係を通じた銀行取引」となり、一般には、金融機関−顧客間において、長期継続的な取引関係より蓄積された顧客に関する情報を基に、貸出等の金融サービスの提供を行うビジネスモデルを指します。友好関係を長期間維持する事により、通常、外部より入手しにくい借り手の信用情報を得られ、貸出の際、金融機関が借り手の情報を収集し、モニタリングのコスト低減が可能になる点がメリットとされており、「将来キャッシュフロー」を確保する為の経営改善計画が重要になっていると言えるでしょう。
 
 多くの金融機関は一定の自己資本比率を維持する為、「貸し渋り」と呼ばれる融資選別と、「貸し剥がし」と呼ばれる融資回収を行っています。厳格な融資貸出金の自己査定により、業績が悪化している企業に返済能力に懸念がある場合、貸倒リスクを評価して、融資貸出金の早期回収や融資停止を図っているのです。この貸倒リスクの判断材料が、つまりは「企業格付」に当たります。格付が高ければ、融資を得られるばかりか金利も優遇される事がありますが、低ければ、融資を停止されるだけでなく、早期回収を余儀なくされかねません。金融機関からの融資を勝ち取るには「企業格付」が大きくモノを言うのは間違いなく、今や、土地・株券に代わる担保とも言っても、決して過言ではないのです
 
 現在、政府(金融庁)の金融政策は大手行の不良債権問題解決を通じた経済再生を目的とする「金融再生プログラム」と、中小・地域金融機関の不良債権問題解決に向けた中小企業金融の再生と持続可能性の確保を目的とする「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」の2つを基本方針としています。
 これまでも金融庁は健全な中小企業への貸し渋り防止に努めてきましたが、平成16年2月に「金融検査マニュアル別冊 改訂版〔中小企業融資編〕」を公表し、金融機関が債務者区分や企業格付の判断を行う際、勘案すべき事項をより具体的な運用事例で明示しました。注目すべき点は、金融機関に対しては貸出先とのリレーションシップ(意思疎通)の一層の強化を求める事により、担保中心主義から将来キャッシュフロー重視への転換、経営者の資質等に関する検証ポイントを追加、法律等に基づき承認された計画等の活用、疎明資料の範囲の明確化等の新しい方針が打ち出された事にあります。
 
 リレバンの時代において、中小企業が経営基盤強化を図るには、最新データに基づいた自社の武器と弱点を理解した上で戦略目標を立てる事、そして、達成の為の経営戦略を練る事が必要不可欠となってきます。当社では、その第一ステップとして、「金融検査マニュアル別冊 改訂版〔中小企業融資編〕」に対応した「継続MASシステム」の「企業格付自己診断システム」を活用する事で、金融機関側から見た自社の「格付ランク」及び、正常先・要注意先・要管理債権先等と言った「債務者区分」を把握し、会社の現状を正確に認識する事を推進しております。
 企業格付の自己診断は、過去3期分の決算書データをダウンロードする事から始めます。まず、安全性(自己資本比率、ギアリング比率等)、収益性(総資産経常利益率、売上高経常利益率等)、成長性(自己資本額、売上高、経常利益増加率等)及び債務償還能力(キャッシュフロー額、債務償還年数等)と言った要因の「定量的(財務)分析」を行い、続いて、市場動向、市場規模、景気感応度、競争状態、経営方針、営業基盤、シェア、競争力等と言った潜在的返済能力評価に繋がる要因の「定性的(非財務)分析」へと進みます。中小企業の格付においては、定性的分析が重視されていますが、これは画面から「経営者への質問」に応える形により、システムで自動判定されます。その過程において「TKC経営指標データベース」を活用し、同業種の優良企業や黒字企業との業績比較により、数々の経営課題が明白になるのです。また、導き出された5ヶ年経営革新計画と、定性要因改善の為の行動計画から、将来5ヶ年の格付アップをシミュレートする事も可能です。